会計事務所のMicrosoft 365 Copilot活用|決算相談から相続まで
会計事務所でMicrosoft 365 Copilotをどう使うか。ミロク情報サービスが紹介する税務調査・決算相談・相続税相談の3場面と、ライセンスの違い・データの扱い・導入前の注意点を一次情報から整理します。
- ミロク情報サービス(MJS)が、会計事務所でのMicrosoft 365 Copilot活用を「税務調査対応」「決算相談の準備」「相続税相談」の3場面で紹介しています。
- 普段使っているOfficeの画面の中で使えるのが特徴です。
- ライセンスは基本とPremium(アドオン)に分かれ、組織データを自動参照できるのはPremiumです。
- アクセス権の見直しと出力の確認は欠かせず、最終判断は税理士等の専門家が行う前提です。
情報の基準日:2026年9月30日時点
決算期になると、メール、対応履歴、打ち合わせメモを行き来して、相談の準備だけで時間が過ぎてしまう。そんな経験は、税理士の先生なら一度はあるのではないでしょうか。
そこで気になるのが、事務所で使っているMicrosoft 365にAIを足せる「Copilot」です。
MJSの活用例と、Microsoft公式のライセンス・データの扱いをあわせて整理します(出典:会計事務所の生成AI活用例)。
Copilotとは?会計事務所で注目される理由
Copilotとは、Word・Excel・Teams・Outlookなどの中から、文章の下書きや会議の要約を自然言語で頼める生成AI機能のことです。基本は生成AIとはでも解説しています。
新しいツールを覚えなくても、いつもの画面で使えることが、会計事務所で注目される理由です。
架空の「みなと会計事務所」の佐藤 花子税理士も、繁忙期に新しいツールを覚える余裕はない、と感じていた一人です。
Microsoft Learnによると、この機能はユーザーに閲覧権限がある範囲で、メールやドキュメントを参照して応答を作ります(出典:データ、プライバシー、セキュリティ)。
MJSが紹介する3つの活用場面
活用場面は、税務調査対応・決算相談の準備・相続税相談の3つです。
- 税務調査対応:メールやチャットから優先度の高い案件を拾い、過去の対応履歴を要約する。エージェントで国税庁のタックスアンサーを参照する
- 決算相談の準備:仕訳データをExcelのAIに渡して補足グラフを作り、Wordでアジェンダを下書きする
- 相続税相談:Teamsで録画した面談を文字起こしし、AIが要約して議事録にする
税務判断そのものではなく、下準備を任せる使い方である点が大切です。
たとえば相続の面談後、議事録づくりが夜に回りがちな事務所なら、Teamsの要約は身近な選択肢に見えるかもしれません。
MJSのページに時間削減の数値は記載がないため、本記事でも効果の数字は書きません。
架空事務所での使い方イメージ
架空の「みなと会計事務所」の佐藤 花子税理士を例に考えます(実在の事務所ではありません)。
佐藤税理士は、Teamsの社内会議の議事録要約から試しました。顧問先の資料は読ませません。
最初は専門用語の言い間違いが要約に混ざり、「思ったより手直しが要る」と感じたそうです。それでも白紙から書く負担は減ったため、「下書きはAI、確認は人」というルールを決めました。
初期設定では、どの会議を対象にするか決めきれず、所内で話し合う時間も要したそうです。導入直後は、こうした小さな戸惑いがつきものです。
慣れてから、決算相談のアジェンダ下書きへ範囲を広げたといいます。小さな会議から始めれば、失敗しても影響が小さく済みます。
ライセンスの違いと費用の考え方
アドオンの有無で、できることが変わります。
Microsoft Learnの概要ページ(2026年9月29日更新)では、次のように整理されています(出典:概要ページ)。
| ライセンス | 特徴 |
|---|---|
| Copilot Chat(基本) | Webデータが中心。組織の内容はファイルを渡すなどして使う |
| Microsoft 365 Copilot(基本) | アドオンなしで、Word・Excelなどに標準アクセス |
| Microsoft 365 Copilot(Premium) | アドオン。優先アクセスに加え、メールや会議などの組織データをMicrosoft Graph経由で自動参照 |
メールや履歴を横断して要約する使い方を考えるなら、どのライセンスで組織データを自動参照できるかを事前に確認したいところです。
佐藤税理士は見積もりの前に、月額の安さより「どのライセンスで何ができるか」を確認したそうです。
金額は契約形態やキャンペーンで変わるため、Microsoft公式の価格ページや販売パートナーで最新の見積もりをご確認ください。
導入前に知っておきたい注意点
閲覧権限のあるデータだけが参照されるため、アクセス権の整理が先です。
Microsoft Learnには、Microsoft Graph経由のデータは基盤モデルの学習に使われないと記載されています。一方、共有範囲が広すぎるフォルダがあれば、意図せず参照される可能性があります。
佐藤税理士の事務所でも、権限の棚卸しで退職者のアクセス権が残っていると分かり、「AIの前にここからか」と苦笑いしたそうです。
- 顧問先フォルダの共有範囲は適切か
- 退職者や異動者の権限が残っていないか
**出力は下書きであり、確認は人の仕事です。**Microsoftも、応答は100%事実とは限らず送る前の確認が必要と説明しています。この現象はハルシネーションと呼ばれます。
Microsoft 365をほとんど使っていない事務所は、強みが活きにくいため、ほかのAIとの比較が必要です。
関連記事:税理士のChatGPT活用の注意点、私用AI利用禁止と情報漏洩対策
まとめ
この機能は、会計事務所の「準備」と「記録」の負担を軽くする道具として、活用例が紹介され始めています。
始め方は、アクセス権の棚卸し、社内会議での試用、確認ルールの決定の3ステップです。
西新宿の株式会社Cosmicoでも、税理士事務所からの相談が増えています。整理したい場合はAI戦略コンサルティングや研修もご活用ください。
出典・確認日(いずれも2026年9月30日確認)
本記事は一般的な情報提供であり、税務判断を保証しません。最終判断は税理士等の専門家へご確認ください。